【ココロのこえ~④】

学校に行かない子は
楽しんじゃイケナイと思っていた。

外に出て遊んだらイケナイと思っていた。

買い物も、映画も、平日に出かけるのは後ろめたかった。

わたしの周りに「行かない子」はいなかった。

身体を壊して「行けない子」はいたけど
そういう子は もうどこにも行けないから
世間が休みの日だって 大抵うちにいたから。

お母さんが、学校じゃないところで過ごせるところがあるんだと
連れて行ってくれた。
そこでは、小学生、中学生が、楽しそうに過ごしていたんだ。

いいの???って思った。

遊んでもいいの?
楽しんでいいの?

お母さんも、同じだったみたい。

学校に行かせなくていいの?
遊ばせていいの?って。

「行かない」わたしは
お母さんを 毎日困らせていた。
勉強も、手伝いも、何もできないわたしを
お母さんは いつもため息交じりで 見ていた。
お母さんは笑わなくなっていた。

ある日、お母さんが一人で出かけて行った。
フリースクールに行くって言っていた。
わたしはどこにも行きたくないのにな。。。
変なこと言われてこないといいけどな。。。

夕方、お母さんは「楽しかった~!」って
笑顔で帰ってきた。
わたしを見る目が変わった。
ため息交じりじゃなくった。

お母さんがそんなに楽しかったところって
どんなトコロだろう!

そしてね。
スクールに自分のタイミングで参加するようになった。
自分で選んで行けるのがいい。
スクールに行くようになってから、
学校にも時々行ったりしてる。
学校も嫌じゃないんだ。不思議。

スクールのメニューに参加したり、
仲間とやりたいことを やってみたりもするようになった。
釣りの道具を揃えに行ったり、
卓球したり、
プールに行ったり、
ゲームをしたり。

楽しいことをやっていい。
笑って過ごしていていい。
って思えるようになったから。

お母さんも一緒に笑ってくれるから。

「行かない子」でも大丈夫。って
ちょっとづつ思えるようになってきた。

(ココロのこえ・訳・ふかざわなおこ)