大事な大事な たった ひとり。

平成25年度の統計。
小学生 8名
中学生 98名
高校生 214名。

何の数だと思う?
自ら命を絶った 子どもたちの人数だって。

先日ラジオで新しい統計の数字を言っていたけど
メモが間に合わなかった。
ネットで見たら上記の数字が出てきた。

これはただの数字。

一人ひとりの想いはいかほどか。
家族の想いはいかほどか。

この数字の奥にある
孤独と
不信と
絶望に
想いを馳せなければ
あまりにも浮かばれない。

子どもの目を 見よ。
表情を 見よ。
朝、起きて来た時の顔を 見よ。
夜、部屋から安らかな寝息が聞こえてくるか
耳を澄ませよ。

学校に通っていれば安心か?
塾に行っていれば安心か?
スポーツに励んでいれば安心か?

ある日突然に絶望に襲われるのではない。

生まれてから 毎日 毎日
透明の色を乗せていくように
その家のカラーが
その地域のカラーが
その学校のカラーが
沁みこんでいく。

自らの光で輝きだすエネルギーがある人
自分で選べる年齢になってから
好きな色を身にまとうようになった人はいいさ。

でも、そうじゃない人もいる。
なんか違う。
そうじゃない。と思いながらも、
期待に添おうと文字通り命を削って生きている人。
そうじゃないと思う自分がおかしいのだと
自分を責めながら生きていく人。
そういう人もいる。

大人はあまりに子どもたちの心に鈍感。
自分のことでいっぱいいっぱい。
まぁ昔からそういうもんかもしれないけど。

今の子どもたちには、
私たちが育った頃のように
空き地がない。
空き時間がない。
無心になって遊ぶ時間が
頭の中も、こころの中も、
片寄ったバランスを整えてくれたのに、
今の子どもたちには、そういう時間も場所も
ない。

学校や、塾や、習い事ばかりでなく、
テレビやゲームやスマホが
大事な時間に浸食している。

公園でも、路地でも、子どもの遊び声は
うるさいと疎まれる。

年間3万人が命を絶つ日本。
すれすれのところで踏みとどまっている人は
その何倍いるのだろうか。

毎日が灰色の世界で生きている人は
その何十倍いるのだろうか。

自分のことから。
目の前のことから。
つながったところから。

平和を守るために手を抜いてはいけないように、
命を守るためには
目と耳をしっかり磨いておかなければ。

見て見ぬふりをしない。

聞こえないふりをしない。

知らないふりをしない。

ひとり。ひとり。

大事な大事な たった ひとり。

(nao)