『夕立』〜中高生アートセラピー

「夕立」

むかしむかし、ある所にとても綺麗な鳥が生まれました。

鳥は「あなたはは特別な鳥よ」「自信を持って生きなさい」と言われていました。

ですが、鳥は自分が好きじゃありませんでした。

派手な見た目だし…みんなと違うし…

どうしたらみんなと同じになれるか考え、毎日泥を浴びて綺麗な羽を茶色に染めていました。

ある日、鳥はとなり町に遊びに行きました。

となり町に着くと鳥はびっくりして周りを見渡しました。なぜならその町は色で溢れていたからです。

その時、一羽の鳥が話しかけてきました。

「君はどうして茶色なの?」「こっちの方が可愛くない?」とカラフルな鳥が言いました。

鳥はその町を歩きながら考えました。

自分はどうして自分の色を隠しているのだろう、周りと同じ必要なんてないのに。

その日の帰り、急に雨が降りました。

鳥はいつもなら濡れないように木の下を飛んで帰りますが、その日は違いました。

川を泳いで帰ったのです。

鳥は水に濡れ、どんどん泥が落ちていきます。

鳥は家に着く頃には生まれた時の姿に戻っていました。でも今までとは違います。

自分に自信を持っています。

自分という確かなものを見つけたのです。

それから鳥は「私は私。」が口癖になりましたとさ。

めでたしめでたし。

 

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初めての開催。中高生クラスのアートセラピー。

小学生の時間とも、大人の時間ともまたちょっと違うひととき。

画用紙に向かってスクリブル(何も意図せず適当に描いた線)。

そこから見えてくる景色。

静寂の時間から生まれた物語。

 

お互いの“これまで”に触れ合ってきてるからこその感動も。

 

 

本人の許可を取ってシェアします✨

 

 

nao